過去の日記(2001/6/11〜2001/12/21)


●2001/12/21
 「バトルロワイヤル」をみました。公開当時のメディアでの取り上げ方からして、とても斬新で、ひょっとして理解できないくらいなのかもしれない、という期待をもってみたのですが、あまりにもオーソドックスな映画なので驚きました。
 無作為に選ばれたある中学校のクラスの生徒が一人になるまで殺しあう、という設定は斬新といえます。しかしこの設定に比べて、ストーリーや映像描写が古臭かったです。深作欣二監督の代表作「仁義なき戦い」シリーズはちゃんとみたことはないのですが、このシリーズの中学生バージョンにしかすぎないのではないでしょうか。オーソドックスな分、手堅い仕上がりで、見終わったときにそれなりにおもしろかったとは思わせてくれるのですが、R15指定の是非を大げさに論議するほどの映画でないことは確かだと思います。
 自分に想いを寄せる相手に応えてあげられずにその死を看取り、自分が想いを伝えようとした相手には殺されてしまう男の哀しいエピソード(中学生とは思えない渋さが、やっぱり「仁義なき戦い」)と、教師キタノ(北野武)の不気味さは印象に残りました。


 「アンティーク〜西洋骨董洋菓子店〜」が終わりました。話が漫画っぽい分、唐突な展開と、いくつかの伏線にひっぱられ続けてずるずるとみてしまいましたが、あの最終回にはがっかりしてしまいました。ひたすらきれいなものばかりが出てくる小さな世界。ちょっと物足りないです。
 しつこい演出のえなりかずきには「もうええ」って思ってしまいました。毎回店のすみっこで一言もしゃべらず、にっこり笑ってケーキを食べているだけの方が良かったと思います。

●2001/12/4
 インテルのPentium4のCMなんですが、あの宇宙人たちが最初につまらなさそうに聴いている音楽のほうが渋くて味わい深いと思いませんか?是非続きが聴きたいと思うのですが...。Pentium4がきてからの音楽なんてまったくおもしろくないです。必ずしも高性能なものが良いとは限らないことを証明しているようで(私にとってだけかも)、音楽の選択がへたくそな気がします。

 LOTO6のCMですが、今回のやつ(中居が背中にジェットセットみたいなのを背負うやつ)も気に入ってます。「寿司はいいよね」など、これまでのに比べるとあまりおもしろくないように思ったのですが、最後空を飛びながら電話で「10秒でつきます」って言うところでやられました。このばかばかしさが好きです。

 
●2001/11/26
 "Go"という映画をみました。ドラッグをめぐって展開する3つのコメディのオムニバス映画です。これら3つの話は最初は1つの話であり、その中の同じ場面から、スーパーのレジをしている女ロナ、そのボーイフレンド、売れないゲイの俳優カップル、それぞれの人物について分岐して進行し、最後にまた合流するというちょっと凝った構成になっています。
 夜中(といっても朝の4時くらいでしたが)にたまたまやっていた映画で、ケイティ・ホームズが出ていたのでなんとなくみてしまいました。話がめちゃくちゃなところが笑えて、期待していなかったわりにはおもしろかったです。ただ最後のオチというべき、3つの話が合流してからの部分は不満でしたが。
 アリーmyラブのエレインをはじめ、ロズウェルやフレンズなんかにちょっと出ていた俳優なども出てましたが、ロナ役のSarah Polleyがとても印象に残りました。


 「イル・ポスティーノ」をみました。田舎町にやってきた詩人と、そこへ郵便物をとどける配達人との交流を描いたイタリアの映画です。
 いい映画でした。純朴な主人公マリオが世界的な詩人パブロと素直に接し、その詩に感動していく様子はほほえましく、ラストではじんわりとさせられました。
 素朴な人たちが繰り広げる牧歌的な話といってしまうこともできます。しかし、マリオがパブロの詩と思想に触れて手に入れたように見えた幸福は本当の幸福だったのだろうか?と考えてみると、違った見方もできる作品です。人の手の触れないような純朴さをもつものとしてマリオや砂浜などの自然、これと対比して描かれるパブロや芸術・政治・思想。後者が本当に人を豊かに、幸せにするものなのかと、この映画は問いかけています。


 "8 1/2"をみました。 フェリーニの映画はこれまでも、どれもちょっと苦手に感じていました。
 私は映画を、理性(頭)でわかるかどうか、感情(心)でわかるかどうか、という二つの軸で分けることがあります(映画には限らないのですが)。一番好きなのは、理性でわからなくて、感情ですごくよくわかる映画です。確実に心がある方向へ揺さぶられるのですが、なぜそのように自分の感情が動くのかが、理解できないような映画です。その逆で、理性ではよくわかっても感情がまったく動かないものは、当然嫌いな映画となります。
 この映画は、主人公の幻覚や夢のような場面と現実とが錯綜して展開し、このすべてを理性でとらえることは難しいです。これで感情が揺さぶられるようなら大好きな映画になるのですが、まったくそうならないのです。このあたりが、私がフェリーニの映画を評価できない理由なのでしょう。ただ嫌いとは言い切れない何かが、連続する断片的なシュールな映像に対して、心の中で動いているような気もするのですが。
 その中でも、ラストの「人生は祭りだ」というセリフは印象的でした。実際のリアルな人生さえも所詮幻にすぎない、という感覚をあらわしたものなのでしょう。人生の虚無に悩む主人公がそれを受け入れて前に進んでいく、しかし前に進むということもとてもシニカルに描かれています。真にニヒリスティックで不思議な映画です。

●2001/11/18
 「チューブ・テイルズ」(TUBE TALES)という映画をみました。地下鉄をテーマにした9つの話のオムニバス形式で、日本でいえば「世にも奇妙な物語」に似た感じです。
 すごくおもしろかったです。コメディ、ファンタジー、シュールなものなど、短いながら(約10分)それぞれ楽しめます。
 中でも気にいったのは、脱力系のオチの(3)"GRASSHOPPER"、とにかく変だけど凄いパワーを感じさせられた、笑えるパニック映画の(6)"MOUTH"です。また(9)"STEAL AWAY"はよくある話ながらなぜか感動して泣けました。死というものをとても真面目に描いていたところが強く印象に残りました。私がキリスト教の死生観というものに馴染みが薄いことからよけいにそう感じられたのかもしれません。


 「溺れゆく女」(ALICE ET MARTIN)という映画をみました。ジュリエット・ビノシュが、秘密の過去を持つ年下の男と恋に落ちる女性の役を演じています。
 ジュリエット・ビノシュとこの邦題だったんでみてみたんですが、期待はずれでした。もっとフランス映画っぽく耽美・退廃、そして一瞬の衝撃のラストというものを期待していました。中盤あたりまではなかなかよかったのですが、終盤からラストにかけて急におもしろくなくなってしまったのが残念です。特にラストは逆の意味で驚いてしまいました(「これで終わり!?」っていうような)。
 興行成績を上げるためにその映画の本質とは異なるイメージをかぶせたりする(邦題や宣伝などで)、とにかく「みに行かせたら勝ち」という戦略が目立ちます。みに行きたくなるように努力するのは良いですが、映画の内容を偽るようなものは問題があります。この映画も原題のまま(「アリスとマルタン」)だったら、確かにみなかったかもしれませんが、見終わった後の感想はもう少しよいものになっていたかもしれません...。

 
●2001/11/12
  先々週、突然思い立って一人で富士山へ行ってきました。私の記憶では生まれて初めての富士山だと思います(中学の修学旅行で行ったような気もうっすらとするのですが、天気が悪くてバスの中で友達と遊んでいた記憶した残っていないので...)。
 道もろくに調べずに適当に車を走らせたので、いつのまにか富士山が間近に見えていたときはとてもわくわくしました。天候はちょっと曇っていて、五合目についたのはもう夕方4時すぎでした。はずれかな、と思っていたのですが思いがけず幻想的な夕日を見ることができました。本当に山が燃えているような風景で感動的でした。この夕日と雲海の彼方から、私がさがし求めている答えがぼわーっと浮かび上がってきてくれれば完璧だったんですが。こんなことを考えてしまうほど神秘的な体験でした。


 Ani Difrancoの"revelling/reckoning"をききました。別のタイトルがつけられた2枚のアルバムがセットになっているという構成です。どちらもユルくてきいていると眠ってしまいそうなんですが、バリエーションが多いrevellingの方が好きです。中でも(2)"o.k."は名曲ですし、(5)"marrow"も徐々に盛り上がっていくところが良いです。reckoningは本当に静かで自然な雰囲気です。富士山をドライブしている間ずっとかけていたんですが、幻想的な夕焼けと紅葉の風景に感動的なまでにはまっていました。


 AALIYAH(アリーヤ)の"AALIYAH"をききました。AniDifrancoとは対照的で、とことんこってりとしていて、富士山の風景にはまったく合わないものです。音楽的にクオリティは高いと思いますが、ちょうど最近の私がナチュラル(?)志向なんで味が濃すぎて食べきれないといったところです。
 今度は違う雰囲気のものを聴いてみたいと思ったのですが、残念なことにアリーヤは飛行機事故で亡くなってしまったので次のアルバムはもう聴けません(「マトリックス」の続編に出演予定だったとは知りませんでした)。ご冥福をお祈りします。


 コーネリアスの"POINT"をききました。雑誌のレビューから期待しすぎてたほどではなかったのですが、なかなかよかったです。水の音がいつのまにか音楽になっていく(4)"Drop"が好きな曲です。自然な生の音のようでいてよく聴けば人工的であるとか、何々風なようでちょっと違うとか、どの曲も凝っていて楽しめました。


 ギターウルフの"LIVE!"をききました。テンションはとにかく高くて良いです。ぎりぎりで「かっこいい」と「かっこわるい」の間を行き来するセンスも最高です。(5)「冷蔵庫ゼロ」のばかばかしさにもぶちのめされました!

●2001/10/31
 「アメリカン・ビューティー」をみました。どうせハリウッド映画だろうと思いながらみたのですが、意外におもしろかったです。娘の友達に恋してしまい、突然青春へ回帰しようとする主人公とそれが元に起こるさまざまな出来事...。
 主人公と妻、娘のジェーン、その恋人(ストーカー)リッキーとその父など、出てくる人が皆どこか病んでいて微妙に、わざとらしくなく、変なんです。特に主人公のずれ具合は良かったです。ハリウッド映画にしては皮肉だらけで、とことん意地悪な映画だと思ったら監督はイギリス人とのこと。ちょっと納得しました。

●2001/10/29
 「スペシャリスト 自覚なき殺戮者」(UN SPECIALISTE)という映画をみました。ユダヤ人虐殺に関わったナチス戦犯のアイヒマンの裁判のドキュメンタリーです。人道的には誤りであったが、命令には従わざるを得なかったと主張するアイヒマン。社会や組織から理不尽なことを強いられた経験は我々にもあるでしょう。それが正しくないと思ったときに我々はどんなことをすべきなのでしょうか。ただ自分がやらないだけで、他の人が替わりにやることになる、というのは、自分の身を守るだけであって人間の格としてはアイヒマンと同じです。筋を通して生きるためには、もっともっとがんばらないといけないということです。

●2001/10/17
 秋のドラマが始まりました。とりあえず私がみているのは以下の2本です。

 月曜9時フジテレビ系で放送の「アンティーク〜西洋骨董洋菓子店〜」。天才ボクサーだったにもかかわらずボクシングができなくなり、アンティークというケーキ屋でパティシエ見習いとして働く神田エイジ(滝沢秀明)を中心に物語が進んでいきます。オーナーの橘圭一郎(椎名桔平)、天才パティシエの小野裕介(藤木直人)、店にくる客たちなど、訳ありげな脇役たちがいい味をだしています。
 演出が(特にエイジの「うっめ〜!」というところとか)漫画っぽいのが気になるものの、独特の雰囲気がうまく出ているのと、話がどう進むのかが楽しみなのと、ケーキがおいしそう(ケーキバイキングとか行きたくなります)なのとで、しばらくはみ続けることになりそうです。
 純粋無垢で(ちょっと最近のパターンか?)凄い男エイジを滝沢がどこまでうまく演じられるかがポイントだと思うのですが、今のところ難ありという感じです...。


 火曜9時フジテレビ系で放送の「さよなら小津先生」。組織のために不正をはたらき逮捕され、その組織に裏切られてしまう銀行員小津南兵(田村正和)がしかたなく高校教師となる話です。タイトルからは「さよなら子供たち」を連想してしまうのですが、そう単純な結末は用意していないだろうと読んでみる楽しみもあります。
 はやっているのか、偶然か、この秋のドラマでは教師ものが多いように思います。傷ついたり悩んだりしている者を導いてくれるような人が望まれているということなんでしょうか...。
 細かいところでは、大好きなみゅー先生(瀬戸朝香)に犬のようにつきまとう、かとけん(ユースケ・サンタマリア)の情けなさが笑けます。また、物語冒頭の小津がニューヨークで働いている場面ですが、セットなどが安っぽすぎて、その後の学校と雰囲気がまったく同じです。大きな転落、挫折を味わったということを強調するためにもここはお金をかけて、いかにも凄いところで働いていたんだということを感じさせて欲しかったところです。

●2001/10/12
 「オータム・イン・ニューヨーク」という映画をみました。リチャード・ギア演じる中年プレイボーイとウィノナ・ライダー演じる不治の病にかかった女との恋物語です。
 はっきりいってここ何年かの間にみた映画の中で最低ランクの映画でした。まったく心に響くものがなく、お決まりの話が流れていっただけでした。恋愛物語の小道具として安易に不治の病と死が使われているのは、映画だから仕方ないでしょうが、この小道具がまったく効いていないのが一段と寒かったです。陳腐でも感動させることはできるんですが、それもできないへたくそな映画という感じです。
 平和な頃のニューヨークの景色がやけに虚しくみえました...。

●2001/10/9
 「ミュージック・オブ・ハート」という映画をみました。ハーレムの子供たちにヴァイオリンを教える教師をメリル・ストリープが演じています。たとえ息子から非難されようともかたくなに自分を押し通していく主人公がアメリカらしいです。信念をもって進めば道は開かれるという教訓?を与えてくれます。道の開け方が簡単すぎるように思えましたが、それでも実話を元にしているそうです。まだまだ世の中捨てたものではないですね。


 「ホワイトアウト」をみました。公開当時からハリウッド映画に比べられていたように記憶しているのですが、あまりにハリウッド映画、それもダイハードに似すぎているのが気になりました。似ているだけあって、まったく肩も凝らずに一気にみられたのは確かですが。

●2001/9/25
 「顔」という映画をみました。妹を殺して引きこもりの生活から一転逃亡生活で世の中へ出ていく主人公を藤山直美が演じています。
 めちゃくちゃ暗い話なんですが、藤山直美のおかしさがこれを救っています。このバランスがよくて、期待以上に楽しめました。ラストもなかなか気に入りました。
 死を決意した主人公が好きな男(佐藤浩市)に思いを告白するセリフ(「月が西から昇ったらうちといっしょになってください。もし生きているうちにその約束がかなわなかったら、生まれ変わってもし出会えたらまたこの約束してください。またかなわなかったら、また生まれ変わって、また出会えたらまたこの約束してください。」)は泣かせますし、これをきいていた男の子供の質問(「生まれ変わるって何?」)に対する男の答え(「こうやって(観覧車)ぐるぐるまわること」)もよいです。

●2001/9/11
 WWW天気予報ですが、Exciteのインターネット番組表のページのURLやフォーマットが変わってしまい、このため天気予報を取り込めない状態になっています。これを機に取り込み先のサイトも変えてしまおうと思っています。しばらくお待ちください。


 相米慎二監督が53歳の若さで亡くなりました。高校生のときに「台風クラブ」をみて、「こんな映画があるのか!」と感動したのを思い出しました。残念です。

●2001/9/9
 LEW LONDONの"SWINGTIME IN SPRINGTIME"をききました。ウェスタン・スウィングという私にはあまりなじみのないジャンルのものです。私にとっていけるものかちょっと不安だったのですが、よかったです。アコースティックで、のどかなのですが、意外にしゃれててかっこいい、という感じで気に入っています。


 キセルの「夢」をききました。サイケなフォークだということで、初期T.Rexのようなものを期待してましたが、ちょっと違いました。スローテンポな曲ばかりのためか、もっとどんよりと沈んでます。これはこれで好きなのですが、もうちょっと曲にバリエーションがあればもっとよかったです。「京都発二段ベッド兄弟ユニット」なんだそうで、兄弟でやってるというのは内向的な音楽のイメージにぴったりですね。


 Michael Franti & Spearheadの"Stay Human"をききました。冒頭の甘い曲に、はずしたか!?と思いましたが、全体的にはよかったです。冒頭の曲"Oh My God"も何度か聴いているうちに気に入りました。ただ音楽的にもっと深いものを期待していただけに、物足りなさも感じました。


 FOETUSの"FLOW"をききました。これは最高でした。学生時代に友人がよく聴いていて、懐かしかったこともあって買ったんですが、未だ衰えないテンションはさすがです。(2)の"CIRRHOSIS OF THE HEART"が渋い感じで気に入っています。ジャケットもかっこいいです。


 Port Of Notesの"Duet With Birds"をききました。これもよかったです。よく聴きました。(6)"Into The Light"や(10)"Floating To The Sun"とかが、アルバム全体の雰囲気の中で、アクセントのように別の彩りを添えているようで、とても好きです。


 Whiskeytownの"PNEUMONIA"をききました。とても渋いです。どの曲も何度も聴いているうちにさらに渋みを増していくようです。ちょっと前まではこの渋さにはついていけなかったかもしれませんが、歳のせいか(?)、いけるようになってきました。(11)の"CRAZY ABOUT YOU"は確かによいです。


 穴奴隷の"PUSSY CANNIBAL HOLOCAUST"をききました。久しぶりに(Big Black以来でしょうか)人に見せたくないジャケットのCDを買いました。期待が大きかった分、かなり裏切られました。私には平凡なへたくそパンクにしか聴こえなかったです。ただ(14)の"SISTER RAY"(カバーです)は元の曲のおかげか、期待どおりかっこよかったです。全体でみれば全14曲約25分中、この"SISTER RAY"が15分を占めているのですから、十分気に入ったアルバムと言えそうです。
メンバーは全員18歳と若いので今後どう化けるのか興味はあります。

●2001/8/20
 いろいろと余裕がなくて、MOREソフトのバージョンアップ(バグFIX)はおろか、問い合わせのメールにも満足に返事を出せていません。大変申し訳ないです。この夏休みも極力頭を使わないようにとぼーっとすごしてしまいました。
 もう少ししたらMOREソフトの開発も再開できる(もちろんしたいと思ってるんで)と思うのですが。
 余裕ないとかいっても、映画とかテレビみたり、音楽きいたり本を読んだり、といったことだけはやってます。


 TBSで放送中の「恋がしたい 恋がしたい 恋がしたい」、何となくみつづけています。ストーカーと化した蜜柑(菅野美穂)がよいです。
 この主題歌「Rainbow Connection」、実はカーペンターズの曲だとは知りませんでした。昔見たマペット(セサミストリートでおなじみのジム・ヘンソン作の人形たち)の映画の冒頭で、あのかえるのカーミットがバンジョーかなにかを手にしてうたっていたのがこの曲だったんです。ずっとカーミットの曲なんだと思っていました。このシーンはほんとに心洗われる、今でも私のお気に入りのシーンです。


 「ラブ・オブ・ザ・ゲーム」という映画をみました。ケビン・コスナーが引退を目前にした40歳の大投手を演じるベースボール映画です。"ANY GIVEN SUNDAY"のときにも書きましたが、スポーツものは先が読めてしまってもついみてしまいます(特に野球ものは)。
 タイガースのベテランピッチャーが投げる1試合の中に、これまでの野球人生や、その日彼と別れてロンドンへ旅立とうとする恋人の思い出などを重ね合わせていきます。優勝を争っているヤンキース相手、それも敵地ニューヨークでの試合(嫌味なヤンキースファンが出てくるんです)、痛む肩、去っていく恋人、とこれ以上ない逆境に立ち向かう老いた大投手という構図はかなりくさい感じなんですが、私はこういうのに特に弱いんです。
 感想は、まあおもしろかった、というところでした。よくいえば、老いた大投手の最後の闘志・情熱を(ハリウッド映画にしては)淡々と描いた佳作。欲を言えば淡々とではなく、私を号泣させてくれるほどべたべたに描いて欲しかったんですが。


 NHKで放送中のドラマ「ロズウェル」をみていてじれったいのがリズとマックスの恋の行方。盛り上がっては「人間とエイリアン、恋愛は無理だ、距離を置こう」となるというのがパターンになりつつあります。すごく古風(?)な感じがします。思えば今のアメリカに「禁じられた恋」なんていうものはもはや存在せず、だからこそ人間とエイリアンという設定が必要なのでしょうか。


 「フォーエバー・フィーバー」という映画をみました。シンガポールで1998年に公開された映画だそうです。「Shall We Dance?」の中年・社交ダンスという設定を若者・ディスコダンスに変えたようなものでした。
 ほのぼのと安心してみていられるところも「Shall We Dance?」と同じでした。おもしろかったところは、敵役がけっこう悪どい奴で、これを元々ブルース・リーを崇拝する主人公がカンフー青年に戻ってやっつけるところとか、主人公を励ましにジョン・トラボルタがスクリーンから出てくるところなど(当然偽者なんですけど)。
 性転換手術を受けることを拒否されて自殺未遂する弟の話はちょっと未消化に感じました。素直に自分として生きるというテーマにはつながっているように思えたけれど。


 「サイダーハウスルール」をみました。期待していたほどではなかったです。ちょっといろんな意味で中途半端だったような気がしました。親の子に対する無償の愛というものは、受ける側はなかなか気がつかないものなんだということには共感できました。

●2001/7/10
 「ブレードランナーディレクターズカット版」をみました。これの「普通版?」もみたのですが、ずいぶん昔のことなので正確にどこが変わったのかは自信をもってはわかりませんでした(ラストが違ったというのはわかった)。
 さすがに今の映画としてみてしまうと、ちょっと古い感じがしますが、1982年の作品とは思えないですね。非常に多くのものに影響を与えていることに改めて気づきました。


 「鬼教師ミセス・ティングル」という映画をみました。「ドーソンズ・クリーク」のケイティ・ホームズが出ていたのでみました。まったく期待していなかったのですが、やっぱりかなりしょうもない映画でした。
 このティングル先生の歪んだ内面をもう少し丁寧に描けば(途中ちょっと期待させる展開になりかけたのに)、もう少しおもしろくなったと思うのですが。ただ「ケイティ・ホームズが出ている!」というだけの映画でした。


 「ナインスゲート」という映画をみました。ジョニー・デップ扮する本の探偵(珍しい本を依頼主に変わって探したりする)が、世界に3冊しかない悪魔に関する本の真贋を鑑定するという依頼を受け、恐ろしいことに巻き込まれていく、という話です。
 中途半端に感じたラストを除けばなかなかおもしろかったです。ラストは、もっといってしまったようなものにするか、逆にもっとぼやかしたものにした方がよかったのではないでしょうか。
 いわゆる「悪魔もの」というジャンルの映画では「エンジェルハート」がかなり印象に残っています。あのロバート・デ・ニーロの悪魔の演技が本当に凄かったです。
 欧米の人が悪魔に対して持つイメージと、日本人が持つイメージとの間にどのくらいの差があるのでしょうか?少なくとも私たちにとっては悪魔というのは幽霊なんかに比べるとそれほど身近には感じられない存在ですね。それでよけいに、私は「悪魔もの」には新鮮な怖さが感じられて好きなんです。

●2001/6/27
 「アイアン・ジャイアント」という映画をみました。アニメーション映画です。宇宙からきた謎の巨大ロボットと友達になった少年の話です。
 泣けるかとかなり期待(?)してみたのですが、泣けませんでした。とにかく「陳腐」なんです(最近こればっかりなんですが)。ちょっと背伸びした少年と純粋無垢ながら実は兵器であるという宿命をもったロボット、そこに現れるずるい大人。どこかでみたような場面ばかりです。もうひとひねり欲しかったです。
 たださすがアメリカ映画!正しくて善い者は幸せになり、そうでないものは必ず報いを受けます。割り切れないエンディングで、「世の中不条理なことばかり」と訴えるようなことはありえないんですかね...。

●2001/6/26
 「3001年終局への旅」を読みました。「2001年宇宙の旅」に始まるシリーズの完結編です。残念ながらつまらなかったです。続編としてみれば「その後」がどうなったのかなど興味もあったのですが、そういった部分をのぞくと本当に何もないように感じられました。私にとってはやはり最初のキューブリックの映画が最高で、他のものは良いとは思えませんでした。


 ラブストーリーが終わりました。結局最後まで見てしまいました。あまり期待も大きくなかった分「まあこんなもんか」といったところでした。ただ永瀬康(豊川悦司)がかく小説というのが、どれも寒くてきつかったです。私が「最後の一葉」(O・ヘンリの作品ではっぱが落ちたら死ぬと思っている人の話です)みたいな話が大嫌いだからなのかもしれませんが、ちょっと陳腐すぎるものばかりで康の悩みというものが軽いものになってしまいました...。


 "ANY GIVEN SUNDAY"という映画をみました。オリヴァー・ストーンの作品です。アメフトを題材にしたもので、ヘッドコーチ役をアル・パチーノ、オーナー役をキャメロン・ディアスが演じています。
 ストーリー自体はありがちなものでしたが、わかっていても感動してしまいました。試合のシーンではラップを使ったり、ちょっと凝った映像効果を使ったりしながら、かっこよい「絵」を作り出したり選手の心を描き出したりと、新しい表現に取り組んでいるように見えました。が、空回りしているところも多かったですし、何よりもクライマックスでスローになる演出はあまりにワンパターンだ、という気もしました。
 いやみな感じの役を演じるキャメロン・ディアスはとてもよかったです。

●2001/6/11
 実は、最近coccoの「サングローズ」を聴いています。ミュージックステーションでたまたまcoccoの最後のステージをみたことがきっかけでした(このテレビをみてなかったらおそらく一生聴くことはなかったと思います)。
 「焼け野が原」を歌っていたのですが、彼女がぎりぎりのところで歌っているように見えました。歌い終わって、もう1秒たりともそこにはいられないかのようにステージから走り去ってしまったところまで、画面から目が離せませんでした。
 何かのメッセージを訴えるわけでもなく、ただ、ある種ネガティブな感情が直接、強く伝わってきました。
 起こったことが真実であっても報道されたとたんにショーのようにしか見えないほど虚構が溢れる昨今のテレビの中で、これほど本当のこと(少なくともそう思えること)が伝わってくることはなかったように思え、そのことに素直に感動してしまいました。


 NHKで土曜23:10から放送されているロズウェル(ワーナーの公式ページはこちら)がおもしろいです。主人公のリズの命を救ったマックスが実はエイリアンだった、という話です。
 エイリアンを扱ったドラマでは、人類の問題というとらえ方がまず先にあるものが多いのですが、この番組ではリズとマックスの恋愛というものがより重要で、エイリアンをめぐる騒動はこの恋愛を妨げるものとしてとらえられているようです。マックスたちエイリアン自身も自分たちが本当に何者であるのかわからないまま地球人として生活していることもその一因なのでしょうが。
 とはいえ、エイリアンの存在を疑う人々や謎の組織が現れ今後マックスたちを追いつめていくようで、いろいろな意味で今後はらはらさせられそうです。オープニングの哀しげな雰囲気もなかなか良いです。
 アメリカでは「ビバリーヒルズ高校白書」の後番組であり、主人公が高校生であることから主に10代に向けた番組だと思うのですが、この「ロズウェル」といい、「ドーソンズクリーク」といい、アメリカのティーンエイジャーはクオリティの高いドラマを見ているのですね。


 「2001年宇宙の旅」がNHKBSで放送されていました。何度見ても良いですね。大好きな映画です。原作者のアーサー・C・クラークの「失われた2001年宇宙の旅」に、この映画の監督であるスタンリー・キューブリックによって最初の構想からかなり変更された経緯などが書かれていましたが、私はこの映画のキューブリックらしい部分こそが大好きです。
 アーサー・C・クラークの本は他にも読んだこともありますし、良いとも思うのですが、毒気とか「やばさ」といったものがあまりになさすぎてちょっと物足りない感じがします。「2001年宇宙の旅」ではキューブリックがそういったものを吹き込んでいます。全編を覆うぞっとするような静寂、最後のスターゲートをくぐるところからのサイケデリックな映像、何度見てもぞくぞくしてしまいます。
 異質な才能を一つの作品にすることはとても難しいことだと思いますし、生産性という視点からすれば効率も悪いでしょう。しかしうまくいったときには一人では作り出せないような凄いものができるものです。


 危険な扉はいよいよ佳境です。どうなるのかが気になって惰性で見続けていますが、出てくる役者の薄い演技や、もったいぶったわりに「秘密」が大したことなさそうなことがわかってきたのでみる方のテンションは下がってます。
 矢萩先生(細川茂樹)と事務長のやばさ(今回はたれぱんだのぬいぐるみの背後から突然出てきて変でした)は楽しめますが。
 ドラマで衝撃的に描こうとしている事件にそれほど驚けないのは、現実に起こっていることの方が遥かに恐ろしいからなんだと実感してしまいました。これはこれで悲しいことです。


 ある日、嵐のようにが終わりました。とてもおもしろかったです。キャストも豪華でそれぞれの登場人物に味がありました。江守徹はほんとに怪しげで怖い感じがして凄かったですし、表情豊かな佐藤浩市、逆に表情のない岸部一徳や(名前が出てこないのですが)みろく生命の新しい社長役の人も独特の雰囲気を作り出していました。
 最終回の後半が異様にだらけたのと、キャストにお金をかけすぎたのか検察の中がいつも閑散としていたのが不自然に感じた(本物もそうなんでしょうか?)ところだけが惜しかったです。

過去の日記(2000/12/31〜2001/5/30)
過去の日記(〜2000/11/14)

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