過去の日記(〜2000/11/14)

  • 2000/11/14
    •  「ポーラX」という映画をみました。レオス・カラックスの映画です。カラックスの映画をみるのは「汚れた血」以来になります。
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  • 2000/10/25
    •  フレンズの地上波版(ビデオ版も同じ?)、やはりWOWOW版にくらべて英語版に近い訳になっています。訳の違いを発見しながら見るのが楽しくて、また一生懸命に見ています。
       英語特有のものや、アメリカでの有名人や有名な出来事に関する笑いはそのまま日本語に訳すとわけがわからないものになってしまい、日本語訳には苦労しているようです。
       一例をあげると、第1シリーズ第4話の冒頭で、みんなが「全能」になれたらどうするか、という話をするシーンがあります。
       英語版では、「全能」になったら何をしたいか、ときかれたジョーイが「自殺する」といってみんなを驚かせます。実はジョーイは「全能」(omnipotent)を「不能」(impotent)のことと思ってこう答えているのです。それに気づかせようと"omnipotent"と強調していうロスに対して、ジョーイは「(ロスが)そう(不能)なのか?」とさらにぼけてしまう、というのがこのシーンのおちとなっています。
       これがWOWOW版ではジョーイは「そんなもんなりたくない、俺がなりたいのはアル・パチーノだ」といいます。「全能になったらアル・パチーノにもなれるんだぞ」というロスに対して「そうか!」と気づいたジョーイにみんながあきれる、というおちになっています。英語版とはかなり違った訳になっていますし、おちの部分でロスが半ば怒ったようにあきれているのがちょっと不自然に見えてしまいます。
       地上波版では英語版と同じく、ジョーイが「全能」を「不能」と間違えてこたえます。違うのは最後のところで、「全能と不能、どう違うんだ!?」というところです。英語版と違って日本語の「全能」と「不能」はそれほど間違えやすいものではないため、このように説明的なセリフにしたのでしょうか。
       自然に笑えなくても、できるだけ英語版に近いほうが良いと思います。まったく別のものに差し替えられているのは何となく騙されているようで気になります。こうなるとあら探しのようになってしまいますが、逆にとてもうまく、原文をいかしながら日本語に訳されているところも探してみようと思います。英語版のセリフは、アメリカのファンのWWWページなどに掲載されているものを参考にしたりしています。

    •  関西テレビで夜中の2:50から「ジェリー・スプリンガー・ショー」が始まりました(関東ではテレビ朝日ですでに放送中だったんですね)。「オースティンパワーズ」や「シンプソンズ」にも登場したあの番組です!
       どこの国でも他人の不幸や喧嘩はおもしろい、ということなのですね。でもこの番組のテンションの高さは異様です。出演者同士乱闘になったり、いたるところで放送禁止用語を消す「ピー」という音が入っていたりします。観客は明るくこれを楽しんでいるようで、出演者の名前をみんなで連呼したり、ブーイングを浴びせたりします(かなり、ばかっぽいんですが)。
       今日の放送は奥さんが自分の弟と不倫していて、自分の子供が実は弟の子供かもしれない、という人の話でした。奥さんに弟、さらに奥さんの現在の恋人まで出てきます。来週は血液鑑定で子供の父親がどちらなのかを発表するそうです。どこまでやらせなのかわかりませんが、夜中にこんなえぐいものをみていると心がすさみきってしまいそうです...。

  • 2000/10/11
    •  「フランダースの犬」実写版をみました。パトラッシュが作り物のようにも見える真っ黒な犬だったのが印象的でした(これがフランダース犬なのでしょうね)。
       ハリウッドで作られたとのことで確かに演出などもハリウッド風で、ネロが絵のコンクールに挑むところは、アクション映画で主人公がすべてを背負って最後の勝負に挑む場面にも見えました。となるともしかして結末もハリウッド映画のように....と思ってみていたのですが、原作どおりの結末となりました。
       ラストでルーベンスやネロのお母さんが出てきたところでしらけてしまいました。この親切な(?)演出もやはりアメリカ映画ならではといったところでしょうか。

    •  「ウェディングシンガー」をみました。1985年の話ということで当時のヒット曲がたくさん流れて懐かしかったです。ビリーアイドルが本物だったとは驚きました。

    •  美空ひばりの「JAZZ&STANDARD」を聴きました。これは以前綾戸智絵をすすめてくれた先輩が「家宝級」と絶賛していたものでした。
       なかなかよかったです。曲によって(録音した時期にもよるでしょうが)歌い方がいろいろですが、中でも素直に、普通に、歌っているものがよかったです。表情をつけて歌っているものよりも、より表情豊かな印象を受けます。

    •  娘にせがまれて「マッチ売りの少女」の絵本を読んでやったのですが、不覚にも泣いてしまいそうになりました。悲しい場面も子供向けの絵本なので淡々と描写されているところが、よけいに涙を誘います(本当にひどい話ですね)。これ以来頼まれてもこの本は読んであげていません。


  • 2000/10/9
    •  「フレンズ」が地上波でも放送されます。関西ではABCテレビ日曜深夜(月曜)0:55〜です。1回の放送で2話分放送するようですね。
       意外だったのがWOWOWでの放送のときと日本語吹き替えが違っていたことです。レギュラー、準レギュラーの声は同じようなのですが、セリフが微妙に違います。元々、ギャグの日本語訳などでは特に意訳(というよりまったく別のギャグにしている場合も)が多かったので、そういった部分がどう変更されるのか気になるところです。
       (今、第2話の最初をみたのですが、WOWOW放送時は「ピンクのスター」(だったと思う)という訳にされていたのが、こちらでは英語版と同じ「ピンクフロイド」になっていました。)

    •  ゆらゆら帝国の「ミーのカー」がよかったので、続いて「3X3X3」も買いました(こちらの方が一つ前のアルバムです)。これもよかったです。アルバム全体としてみると「ミーのカー」の方が良いと思ったのですが、1曲凄い曲が入っていました!アルバムタイトルと同じ「3X3X3」という曲です。曲はもちろん、歌詞やアレンジ、異様にテンションの高いボーカルも素晴らしく、「いってしまった」感じを完璧に表現しています。私にとってここ2〜3年の中のベストトラックです。

    •  浄瑠璃寺(京都)に行きました。秘仏・吉祥天女像が公開されていたこともあって人も多かったです。吉祥天女像も、九体阿弥陀如来像もよかったのですが、いつも仏像を見るたびに不満に感じることがあります。それは一人で仏像に対峙したいという希望がかなえられないことです(もちろん、みんなで観るようになっているからこそ私なんかでも観られるわけですが)。
       仏像を好きな角度で見ながら、好きな音楽(当然ロック系です)を聴きつつみるようなことをしたいのですが、やはり無理です。NHKの国宝探訪という番組を作っている人がうらやましいです。好きなアングルで撮影して、好きな音楽をつけてそれをたくさんの人に見せられるのですから。

    •  吉野家のCM(「どっと混む」のやつです)は最高ですね。久しぶりにあほCMで大笑いできました。昨今のITブームやそれにのっかるCMを完膚なきまでにおちょくりきっています!!。素晴らしい!必見です。

  • 2000/9/26
    •  「バッファロー'66」という映画をみました。刑務所を出所した男が、両親に刑務所にいたことを隠しさらに結婚したと嘘をついたことから、たまたま出会った女性を誘拐して、両親の前で妻の役を演じさせる、という話です。
       主人公の男、その両親などちょっと変な人たちが出てくるのですが、何よりも不思議なのが誘拐される女性です。
       のたーっとしてとても退廃的な雰囲気が漂っています(目のまわりのやたら濃い化粧もそれを強調します)。逃げようと思えばいくらでも逃げられるのですが、逆に男に積極的に協力します。この外見と、一途で健気な行動との対比。当然作り手はねらっているのでしょうが、やはり魅力的で惹かれてしまいます。この魅力に最後の最後まで気づかない男の変わり者ぶりも、これで際立っています。
       この女性を演じているのはChristina Ricci(クリスティナ・リッチ)です。

    •  ここのところゆらゆら帝国「ミーのカー」ばかり聴いています。これは私にとって本当にやばいCDです。特に10曲目の「星ふたつ」が私の何かのスイッチを押してしまうようで、これをリピートにしてかけていると、あっという間に1時間くらいが経過しています(寝ているわけではないのです)。別世界にいってしまうような感覚で、聴きすぎているとだめになってしまうような...。
       元々ちょっとゆったりしたサイケな感じのギターがうねる曲は大好きで、これとは別に間奏などで泣きの音(ギターに限らない、単音が重なり合うような感じ)が入るものも大好きなのですが、この曲はどちらをも持っています。シド・バレットの"Late Night"もそうですが、「星ふたつ」の方がはるかにサイケな感じです。

  • 2000/9/18
    •  アリーmyラブの再放送やってますね(一度みたとはいえ、やはり放送されているとみたくなってしまって、寝不足です)。土曜の夜やっていた「涙の数だけ」はとても好きな話でした。精神的に不安定だということでアリーに業務停止処分が下されそうになる、という話です。
       切れてしまったアリーにどうしてあんなことを言ったのか、と諭すビリーに「ぶちきれてるからよ。みんなそう思ってるんでしょ?回路が切れてるの」とさらに切れるところや、バランスを考えろと言われて「みんなバランスをありがたがりすぎ」、幸せになってほしいと言われて「みんな幸せもありがたがりすぎ」とめちゃくちゃに返すところとかが好きです。ビリーの最終弁論(?)はちょっと感動的で良いです(それでもアリーは報われないのですが)。
       10月から次のシーズンの放送も始まるようですね。

    •  「ボディートーク(世界の身ぶり辞典)」という本を読んでいるのですが、とてもおもしろいです。世界中のジェスチャーの辞典なのですが、いろいろなジェスチャーがいろいろな意味を持つものなのだと感心します。頭ゆれ(HEAD ROLL;頭を左右に交互に傾ける)が多くの地域では疑いや優柔不断など否定系の意味をもつのに、ある地域では肯定を表す、など興味深いものもいくつかあります(そんなもん知ってどうする?というようなものが多いですが)。
       辞典というには収録しているジェスチャーの数が少ない(653)のが不満です。もっともっとたくさんのジェスチャーを収録したものがみてみたいです。あと、あの味のある(?)イラストも賛否両論というところでしょうか。

    •  ヴァン・ダイク・パークス"Song Cycle"(CD)を聴きました。かなり期待したのですが全然ぴんと来ませんでした。甘くて地味な曲が続いているようにしか聞こえませんでした...。
       ところが、後日「無人島レコード」という本を立ち読みするとジム・オルーク(後で紹介するSonicYouthのアルバムにも参加している人です)がこのアルバムを絶賛していて、しかも「20年ずっと驚きの気持ちで聴きつづけている」というようなことまで言っていました。
       うーん、いつの日かこのアルバムの本当の価値が私にもわかる時が来るのでしょうか。

    •  SonicYouthの"nyc ghosts & flowers"(CD)を聴きました。こちらは期待どおり良いアルバムでした。これまでになく内省的な感じはちょっと意外でしたが(一瞬ルー・リードかと思った)、かっこよかったです。ここしばらくどちらかというと「肉体派」を聴いていたのですが、またこの路線のものが聴きたくなりました。

    •  綾戸智絵の"Your Songs"(CD)を聴きました。何で今さらJAZZ?という気もしますが、これは学生時代の先輩が強くすすめてくれたものでした。確かに良かったです。文字にすると陳腐な表現ですがまさに「表現力豊かなボーカル」という感じで、ぼーっと聴いていると良い感じです。
       いつものように3歳の娘がこのCDも気に入って、いくつかの歌を歌っています。末はJAZZボーカリストに、などと完全親ばか状態に...。

    •  WOWOWで「FUJI ROCK FESTIVAL '00」が放送されていました。いろいろと掘り出し物(?)が見つかりました。
       まずはTha Blue Herb。ポエトリーリーディングはいけてる/いけてないが紙一重という感じで難しいのですが、これは結構気に入りました。他の曲も聴いてみたいです。
       Yo La Tengo。最初はあの太った人が一生懸命に踊る踊りに心惹かれてしまいましたが、曲も渋くて良い感じです。一番気に入って、CDまで買ってしまいました。
       ゆらゆら帝国。名前はよく知っていたのですが、こんなに正統派のサイケなブルーススタイルのバンドだとは知りませんでした。かっこ良いです。これは完全に私の好みです。こちらもCDまで買ってしまいました。
       この他には、やはりSonicYouthはかっこ良かった(いつまでも若いですよね)し、MOGWAIも驚きの発見となりました。このようにいろいろなアーティストを一度にたくさん見られるのは良いですね。是非生で見に行きたいものです。

    •  Yo La Tengoの"And then nothing turned itself inside-out"(CD)を聴きました。事前にHMVのサイトでのレビューを読んで(これがまた思わずCDを買いたくなるようなレビューでした)ある程度予想していたとおりでした。
       ヴェルヴェット・アンダーグラウンド/ルー・リード直系、という感じの内省的なものです。ちょうどこういうのが聴きたかったのでさっそく愛聴盤となりました。欲を言えばもう少し予想をはずした曲が欲しかったです。
       とはいえやはり(7)"You Can Have It All"(WOWOWの放送でやっていた曲)は名曲です。もう1枚聴いてみようと思います。

    •  ゆらゆら帝国「ミーのカー」(CD)を聴きました。良かったです。本当にシンプルな正統派サイケ&ブルージーなロックなのですが、かっこ良いです。中でも気に入ったのが歌詞です。やはり日本語の曲を聴くからには端々まできちんとした歌詞を楽しみたいところです。韻を踏むのに精一杯で貧弱な語彙をさらけ出してしまうようなヒップホップや、中身も飾りもまったくないような無色透明系のはやりの曲はもっと見習ってほしいものです。

  • 2000/9/3
  • 2000/8/28
    • 久しぶりの更新です。夏バテ気味でoutput側が停滞していた(input側はけっこう充実していたのですが)ので今回は長いです。

    •  「フレンズ」のビデオレンタルのCMをみました!!でもひどいCMですね。うまくやれば「フレンズ」は日本でもかなり受けると思うのですが...。もうすぐWOWOWで次のシーズンが始まりますね。

    •  リクルートの「とらばーゆ」のテレビCMをご存知ですか?関西地方とその他の地方のものが同じかどうかわからないのですが、内容は男女3人が女性、男性、女性の順に歩いているというものです。これは私の考える完璧なCMです。本当に大好きなCMです。以下、なぜ完璧なのかを説明します(見る人によって感じ方も違うとは思うので、あくまで主観になりますが)。
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    •  夏目漱石の「草枕」を読んでいておもしろいことを発見しました(今まで読んでいなかったのか!?といわれそうですが;塾講師のアルバイトをしていたときは中学生に国語も教えていたというのに...)。夏目漱石が羊羹(ようかん)が好きだったということです。以下、引用します。
       「余はすべての菓子のうちでもっとも羊羹が好だ。別段食いたくはないが、あの肌合が滑らかに、緻密に、しかも半透明に光線を受ける具合は、どう見ても一個の美術品だ。ことに青みを帯びた煉上げ方は、玉と蝋石の雑種のようで、はなはだ見て心持ちがいい。」
       実は私も羊羹が大好きで、それも漱石同様見た目にかなり惹かれていたのです。「夏目漱石、さすが、わかってるなぁ」と変に感心してしまいました。ただ私の場合は味の方も好きで、学生時代には、コンビニで羊羹を買って夜食代わりにかじっていたりして周りから不気味がられていました。
       本自体もかなりおもしろかったです。「今さら夏目漱石なんて..」とか思いながら読み始めたのですが、今、この年になっていないとわからなかっただろうな、と思うようなところが多いように感じました。また何年後かに読むとさらにそう思えるところが増えているかもしれません。

    •  「地球のうた」というCDを買いました。これはJVC World Soundsという世界の民族音楽シリーズのスペシャルガイドで、各タイトルから1曲ずつ収録して2枚組100曲で1,500円というものです。
       これは良かったです。買ってみたいCDがたくさん見つかりました。特に良いと思ったのが「カリブ海 ガリフナ族の歌声」「モンゴルの歌声」「沖縄しまうたの神髄」でした。この他にも「こんな音楽があるのか!?」と驚いたのが「密林のポリフォニー イトゥリ森ピグミーの音楽」「極寒の歌声 ケープ・ドーセット島イヌイットの歌」「チベット密教 聲明の驚愕」です。イヌイットの歌はのどをならすようにして歌う「スロートシンギング」に驚きましたし、チベット密教は僧たちの異常なまでに低い声が印象的です。まだまだ音楽の奥は深いです。

    •  映画「秘密」をみました。広末涼子主演の、バス事故に母娘が遭遇し母の心が娘に入ってしまう、という設定のものです。原作がおもしろいと評判だったので、結構期待していたのですが、映画は全然よくなかったです(以下映画をこれからみようとしている方は読まないほうが良いです;みてから読んでください)。
       素材(設定)としては魅力的だったと思うのですがそれの料理の仕方がまずいです。まず、主題でもある(はずの)心は夫婦でありながら元に戻ることの出来ない哀しさ、そこから娘の心に入ってしまった母親の心が消えていくところを描く部分についてです。ここではもっといろいろなエピソードやそれに対する心の葛藤などを描けたと思うのですが、同じようなことが繰り返されてるだけでもの足りません。また小林薫の演技が妙にコメディタッチすぎるように感じられ、何となく醒めてみていました。人によってはかえってこれが哀しみを盛上げているようにも感じられるかもしれませんが。
       そして問題のラストです。娘の結婚式前の場面で、実は消えたと思っていた母親の心はずっと残っていた(つまり娘の心は最後まで現れなかった)ことがわかるのです。私は全然予想していなかったどんでん返しで映画は終わります。好みの問題なのでしょうが、これは最悪の終わり方だと感じました。いったいそれまでちまちまと描いてきたものは何だったのでしょうか?ただ最後に、見ていた人を「うそだぴょーん!騙されておどろいたでしょう!?」と言わんばかりに映画全体をひっくり返してしまったように感じます。確かにあのまま終わっても単に小さくまとまった映画、という感想しか残りませんが、あのどんでん返しには心からしらけてしまいました。
       もちろん母親がどのような気持ちで演技をしていたか、とかいうような「深い」ところをいろいろ考える余地を残しているともいえるでしょう。ただそれならばあのつまらないメロドラマ部分は2時間近くもいりません。2時間程度の映画にしたことが誤りだといえます。あの部分が長すぎたためにラストのどんでん返しによって、映画が真っ二つに切れてしまったようでした。1時間程度のミニドラマとして観たのならまた違った感想を持ったことでしょう。
       ラストシーンというのはその映画の中で最高の感動・テンションを与えて欲しいものです。そういう点ではフランス映画にはそういったものが多くて好きです(ここまで書いて、ふと思い出したのですが、あのラストの広末涼子の表情は「勝手にしやがれ」のラストに似ているような気がしましたが...)。例え途中テンションが低くなってもそれがラストでの盛り上がりにしっかりとつながっていれば良いのです。

    •  映画「ラン・ローラ・ラン」をみました。恋人のために20分で10万マルクを工面しなければならなくなったローラが走る!という映画なのですが、かなりよかったです。冒頭から「なんじゃこりゃ!?」と思わせながらも、テクノっぽい音楽とテンポの良い展開にぐいぐい引き込まれてしまいます。30分くらいで約束の20分という時間切れの場面になり、どうなるのかと思っていると、いきなりまた最初から微妙に違う展開が開始されます。驚きながらも1回目にあちこちに伏線となりそうなものがいろいろ出てきていたことを思い出して、次はあれらはどうなるのだろう、と思いながら、さらに楽しんでみられました。仕掛けで楽しませるなら、このように徹底して欲しいものです(「秘密」は中途半端すぎます)。
       この繰り返しながら少しずつ違う、というのはどこかで味わったことがあるなと考えていると、毎日の通勤風景がまさにこれだなと思い当たりました。私は車通勤なのですが、だいたい同じ時間に同じ道をとおっているといつもすれ違う車や、いつも近くにくる車、いつも追い越す車、いつも追い越される車などの存在に気がつきます。これが毎日微妙に異なりながら繰り返していきます。映画を作った側にはこんな狙いはなかったとは思うのですが、こんな不思議な感覚を呼び覚ますところも良かったです。ずっと繰り返しかけておきたいような心地よさを持った映画です。
       ただローラの走る姿がちょっと平凡な感じで不満でした。何か走る姿だけで心を揺さぶるようなものが欲しかったです。


  • 2000/7/15
    •  NHK BS2で「ユーロビジョン・ソング・コンテスト2000」が放送されていました。何気なしにかけていたのですが、最初に出てきたイスラエル代表の「PingPong」が強烈でつい見入ってしまいました。
       男女2人ずつあわせて4人のグループのようなのですが、まずスキンヘッドの男が筆で胸に「卓球」と書いたところから何か寒い雰囲気が漂い出し、歌が始まると、単調に「BeHappy!」(そう言っていたと思う)と連呼するだけの内容に脳天をぶちぬかれてしまいました。
       女性2人は真ん中で派手に歌い踊っています。それに対して男性2人はかっこつけて(ちょっとアーティスティックな雰囲気を作っていたのです)何をしているのかと見ていると、ほとんど何もせず、ただ「あうー!」とか叫んだりして合いの手を入れたり、スキンヘッドでない方はときどき変な踊り(しかも、ただかっこ悪い)をしてみたりと、思わず「お前らなにもんじゃ!」とつっこみたくなるような働きぶりでした。単にラリっていただけなのかもしれません。
       とはいえ「PingPong」、他にどんな持ち歌があるのか?などちょっと気になるグループでした(イスラエルとシリアの国旗を並べたとかで出場停止になりかけた、とかいう事件も紹介されていました)。
       この他ではルーマニアの「Taxi」もやや変でよかったです。キプロスの二人組(名前がわかりませんでした)なんかもなかなかでした。
       ちなみに「PingPong」はびりではなかったです(でもビリから3つめでした)。かといって、1位のデンマークのオールセン兄弟がそれほど良かったとも思わなかったのですが...。

    •  今さらですが、「アルマゲドン」と「プライベート・ライアン」をみました。
       「アルマゲドン」ですが、「これってインディペンデンス・デイと同じなのでは?」と思ってしまいました。もちろんストーリーは別なのですが、場面とか登場人物がおかれる心理的な状況が似すぎている(どちらも陳腐)のです。自分を犠牲にして(あるいは危険を顧みず)他人を、全人類を救う、といったことは現実として考えれば難しいし、すごいことだとは思います。しかしこれを映画の感動の焦点に据えて客を集める、金を儲ける、という姿勢が見えると話は別です。
       「ここで泣け!」といわんばかりの音楽の使い方や絵の作り方、演出など全体的に単調で(それでも悔しいことにほろりとくるところもありましたが)、映画としてのレベルはかなり低いです。
       「プライベート・ライアン」も感動の焦点は似たところにあるのですが、比較的抑え気味の演出で、かえって感動をもりあげるのに成功しています。ちょっと見ていてつらいところも多い映画でしたが、とても泣けました。スピルバーグの映画はずっと嫌いであまりみなかったのですが、こんな映画をとるようになっていたのですね。よく作られた映画です(作品として好きかどうかは別として)。

  • 2000/7/14
  • 2000/7/12
    •  久しぶりに休みをとりました。一人だったので近くの自然公園に、好きな曲を入れたMDと好きな本を持ってでかけました。平日で人気もなく、空も真っ青で、緑の草原に風が吹けば彼方の木々がざわざわとゆれて、最高の環境です。広がる芝生に死体のように(?)寝転がってひたすらに音楽を聴きながら本を読んだり、考え事をしたりと、本当にすっきりしました。今度行くときはウクレレを持っていこうと思いました。
  • 2000/6/20
    •  「ドーソンズ・クリーク」(WOWOWで放送中)では”小悪魔”アビーが死んでしまいました。それにしても最近の「ドーソンズ・クリーク」はテンションが高く、毎回涙が出る場面があってすごいです。
       吹き替えで見ているのでその分差し引く必要はありますが、アンディー役の女優(名前は知りません)の演技は良いです。私が今、一番真剣に見ているドラマです。

    •  ゴダールの「映画史」という映画の批評を読んでいてなるほどと思ったことがありました(映画自体はみていません)。映画もさまざまなものが作られるようになると、たいていのものは出尽くしたような状態になり、必然的に「メタ映画」とでもいうようなものが出現した、というような記述です。ここでいう「メタ映画」とは既存のいろいろな映画の要素を含んだ - 引用だったり、パロディだったりする - ものを指します。
       私がヒップホップにもとめていたものは、まさに「メタ音楽」のようなものだったんだと思います。何を聴いても「これは○○風のもの」とかいうようなもので説明できてしまうような状態で、何か新しい、聴いたことのないような音楽が無性に聴きたくなります。ワールドミュージックを聴いていたときなどもこういう欲求が背景にあったように思います。
       ヒップホップはこれまでのいろいろな音楽を引用したりしながら、新しいものをつくっていける可能性があると思います。逆に「ラップ」という手法にとらわれて、1つのジャンルに固執しているようなものはつまらないです。でもなかなか、「これ」といったものに出会えていません(まだまだ聴く範囲が狭いのでしょうが...)。いっそのこと自分で、自分が聴きたい音楽をつくってみようかとも思っています。

    •  今「コンピュータは、むずかしすぎて使えない!」(アランクーパー著/山形浩生訳/翔泳社刊)を読んでいます。....はっきりいってかなり「いらいら」くる本です。まったく話にならないほどはずした本なら読むのをやめれば良いだけなのですが。全部読んだら、この本への反論という形で次回のソフトウエア考察を書こうと思っています。最後まで読むのをやめてしまうか、最後まで読んだら気が変わるか、わかりませんが。


  • 2000/6/11
    •  コッポラの「アウトサイダー」をみました。前回みたのは高校生のときでした(ああ...もう10年以上も前のことです)が、やはり別の映画をみたかのようにその感想は異なるものとなりました。
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    •  小学生からのヤクルトスワローズファンなのですが、今日のサンデースポーツにあの梶間が出ていました!!今はスワローズの寮長なんだそうです。あの声、しゃべり方もかわっていなくて感激しました。スワローズ最弱時代(?)を尾花とともに支えていた勇姿を思い出しました。

  • 2000/5/30
    •  「グローバリズムという妄想」(John Gray著、石塚雅彦訳、日本経済新聞社)という本を少し前に読み終わりました。専門用語がたくさん出てきて読むのはしんどかったのですが、おもしろい本でした。
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  • 2000/5/22
  • 2000/5/18
    • 最近「ドーソンズ・クリーク」(WOWOWで放送中)が本当におもしろいです。ちょっとくさくて、恥ずかしいところもあるのですが、懸命に生きている登場人物たちには感情移入せずにはいられません。見る機会があれば是非見てみてください。
    • 先代カントリーモーニングはカントリーモーニング「オリジナル」として売られているようです。さっそく買って久しぶりに味わいました。おいしいです!生きる力を与えてくれます。

  • 2000/5/15
  • 2000/5/7
    • 変身天国をリリースしました。
    • 音楽大好きを更新しました。
    • 今日、店で先代カントリーモーニングを見ました!かわりに「グラノラ」はありませんでした。並売されるのでしょうか...?

  • 2000/4/26
    • 予告していた、変身天国をリリースしました。
    • 私はシリアルが好きです(もちろん食べ物のシリアルです)。中でもケロッグの「カントリーモーニング」は大好きで、学生時代はほとんど毎日、昼頃起きて朝昼食をかねてカントリーモーニングを食べていました。
      就職してからはきちんと朝起きるようになり、朝食はあまりとらなかったためずっとシリアルは食べていなかったのですが、最近久しぶりにカントリーモーニングを食べて再びこれにはまりそうになっていました。
      ところが突然カントリーモーニングが店頭から姿を消し、かわりにカントリーモーニング「グラノラ」という商品が店頭に並びました。どうやらモデルチェンジ(?)してしまったようです。
      「グラノラ」はまず見た目が良くなかったので敬遠していたのですが、気になったので食べてみました。...「まずい!」誰が食べてもまずいのではないとは思うのですが、やはり先代(?)のカントリーモーニングをイメージして食べると全然だめです。あの牛乳によってふやけた感じとサクっとした感じの間の微妙な食感もありません。もう一度先代カントリーモーニングを食べたいです...。

  • 2000/4/17
    • 音楽大好きを更新しました。
    • ジミ・ヘンドリクスを描いた映画が制作されるそうですね。「ベルベット・ゴールドマイン」のように寒い映画にならないことを祈ります。でも本当のファンなら「再現映像」ではなくて本物の映像の方を見たいでしょうから、所詮この手の映画って本当のファンが観ることは考えずに作られるのでしょうかね(ジム・モリソンの映画は観ていないのですが、どうだったのでしょうか...)。
    • WOWOWで「Third Watch」が始まりました。ERにアクション性を追加したようなドラマです。その分登場人物(警察官・救急隊員)には常に命の危険がつきまとい、人を救う仕事の限界にぶつかったときの「やりきれなさ」の描写にはさらに重苦しいものがあります。
    • 新しいMOREソフトの開発に着手しました。もっと大きなものにとりかかろうとしていたのですが、その前のちょっと息抜き的なものになりそうです。
  • 2000/4/12
    • お金持ち倶楽部をバージョンアップしました。
    • 「ベルベット・ゴールドマイン」というグラムロックを題材にした映画を見ました。最悪でした...。中途半端すぎます。
      現実からの引用にしてもモデルがいるわりにかなり変なアレンジが入っているし、ちょっと変わった雰囲気を出す(芸術的なアプローチのつもりではないと思う)試みも何かセンスが感じられないし、使われた曲の多くは私にとってはグラムロックの本質とは違うと思っているものだったし...。
      2時間弱も「知ってるつもり?グラムロック」(架空のタイトル)のチープな再現映像を見せられたような後味の悪さでした(知ってるつもり?マークボランは見てみたい気もするけれど...;マークが死ぬところでやはり誰かが泣くのでしょうか)。
      グラムロックの好きな人は逆に見てはいけない映画といえるでしょう。
  • 2000/4/7
  • 2000/4/5
    • 音楽大好き好きなものを更新しました。
    • 4/2日曜日の昼くらいにNHKBS1で第2次世界大戦中のイギリスの暗号解読部隊のドキュメンタリーが放送されていました。世界初のプログラマブルなコンピュータが暗号解読のために作られた「コロッサム」で、機密保持のために終戦時にすべての資料とともに破棄されたというエピソードが興味深かったです。暗号解読に、暗号表の入手や敵オペレータの操作ミスなど「物理的な」手段がもっとも有効だというのは今も昔も同じようですね。
  • 2000/4/3
    • MUSIC MAGAZINE4月号「音楽誌が書くJポップ批評」はおもしろかったです。本当にいろんな音楽を聴くようになると、「Jポップ」だとかいう区別もなしで何でも楽しめるようになるものなのですね。でも、もう少し「毒気のある」批評も読みたかったです。「急速に”ゆず化”する路上に本当の”自由”はあるのか」には同感です。
  • 2000/3/27
  • 2000/3/21
    • 好きなものを更新しました。
    • 「新・猿の惑星」を見ました。未来の地球を支配している猿が現代へタイムスリップして来てしまった、という話でした。冒頭からオレンジをナイフとフォークで食べる猿人に驚く人間、一瞬のうちにゴリラに殺されてしまう猿人(あまりに間抜け)、など見所(?)が続き笑ってしまいました。最後ははらはらどきどき、で悲しい結末でした。
  • 2000/3/17
    • お金持ち倶楽部1.60をリリースしました。
    • NHKで「ジミ・ヘンドリクス、神になったギタリスト」が放送されていました(再放送)。BBC制作の音楽関連の番組はやはりおもしろいですね。久しぶりに「The Cry Of Love」をひっぱりだして聴いています。
  • 2000/3/13


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