パソコンを買う人・必要とする人

1999/9/6

 今回は前回の補足のような内容です。

パソコンを買う人

 パソコンを買う人たちを大まかに分けると以下のようになると思います。

(1)熟練ユーザ。パソコンで何をしたいか、そのために必要なことをよく知っている。
(2)初心者ユーザA。ただし比較的やりたいことははっきりしているし、学習意欲もある。短い期間で熟練ユーザへと移行していく。
(3)初心者ユーザB。(パソコンで)やりたいことははっきりしていない。このため少しでもややこしいことは避けたいと考えている。

 おそらくパソコンを買わない人も含めた場合もっとも多いのが(3)でしょう。そして問題なのがPCメーカーがもっとも力を入れているのが(3)であると思われることです。
 同じ初心者ユーザでも(2)のようなユーザであれば、私が前回かいたような基本知識の習得は無理なく行えるでしょうし、その意欲もあります。また基本知識を習得していくことによりさらにパソコンを有効に利用できるようになっていくでしょう。
 それに比べて(3)のようなユーザにとってはパソコンは持て余すようなものです。それこそインターネットメール・WWWを楽しみたいだけならば汎用性を切り捨てた専用機を買ったほうがまだ手軽に使うことができるでしょう(ただやはり汎用性というのは保険のような響きがあるのか、専用機よりはパソコンを、と「とりあえず」思う人は多いようですね)。
 この層のユーザを狙うことが市場を広げると判断し各メーカーが力を注ぐわけですが、パソコンでインターネットに接続して各種サービスを利用するにはいろいろな要素が絡み、各メーカーの謳うほどまだまだ簡単なものではないと思います(将来的にはもっと簡単なものになっていくとは思いますが)。これをあたかも簡単に見せるための努力がなされ、さらにはこれが(2)のようなユーザの基本知識の習得を阻害する場合もあるのです(妙な言葉で一般的な言葉を言い換えてしまったり、必要な事を無理に隠してしまったりして)。
 そこまでやっても(3)の人たちが本当にパソコンを買うのか、また実際にパソコンを買った(3)のユーザが満足しているのかどうかは疑問が残ります。補足しておきますが、決して(3)のユーザが悪いといっているわけではなく、メーカー側が不要なものを売りつけようとしていないか?といいたいわけです。

おわりに

 パソコンを、実際にはそれほど必要としない人にあたかも必要であるように思わせて買わせるようなことはしてほしくないです。それよりは本当に必要としている人に対して、その人たちがもっと便利に使えるよう努力すべきでしょう。
 もちろんマーケティングのセオリーに従えばやむを得ないところなのでしょうが、メーカーの良心とでも呼ぶべきものは捨てないでいて欲しいものです。

おまけ

 最近このような記事(2番目のトピックの「快進撃を続けるDell Computer」です)をみました。これなどはメーカーが(3)のようなユーザばかり追っていることが(1)のようなユーザには支持されていないことを示す例ではないでしょうか。


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